1月15日火曜日朝。
その日は火曜日なので、フィールドワークに行くはずだった。
けど、頭が痛くて身体が重い・・。
なんでそうなっちゃったのかと言うと、昨日フィールドワークで冷えたせいだ。月曜日に行ったN小学校の教室で、頭上で回ってたファン(扇風機)が強すぎた。
当時の私はとても身体が弱かった。冷えるとすぐに体調を崩したり、熱を出したりしていた。でも、1月のムンバイはたまに涼しい日はあるものの、基本的には夏っぽい気候なので、インド人たちはどの部屋でもブンブン元気に扇風機を回している。
だから、私はたいてい扇風機の風が来る位置を避けて座ったり、首に掛けているショールを頭に巻きつけたりして自己防衛していた。
(そういう格好をしていても、周りには普段から頭にヒジャブを着けているイスラム教徒の女性が結構いるし、インド人も寒いと頭にショールを巻いているので、そんなに変に見られない。)
しかし、今回は扇風機に負けてしまった・・。
でもフィールドワーク行かなくちゃ・・。
アパートメントの部屋で、重い身体を引きずって出かける準備をしていた。
そんな私に、一緒に住んでいたムクタが声をかけた。
「ミヤ、大丈夫?」
「大丈夫じゃない・・。でもフィールドワーク行かなくちゃ。」
「行っちゃダメよ。家で休んでるべきだわ。」
「ノー。フィールドワーク休んだら、また別の日に埋め合わせしないといけないんだよ。」
次の瞬間、ムクタに言われた言葉に私はびっくり仰天した。
「You can make up the fieldwork report!
(レポートでっち上げちゃえばいいのよ!)」
「What?(何だってぇ?)」
「スーパーバイザーの先生はいないんでしょ?パートナーに頼めばできるわよ。」
「Accha..(アッチャー。ヒンディー語でこの場合の意味は「なるほど」。)」
目から鱗がぼろぼろ落ちた。何という世渡り術!
ある意味、すごく頭良い。(いや、本当はいけないことなんですが。)
とりあえず、フィールドワークのパートナーのメジに電話した。
「メジ、私体調良くなくって、ムクタがこう言ってるんだけど・・。」
「Accha.確かにでっち上げられるね。」
「・・お願いしても良い?」
「良いよ。後でフィールドワークであったこと教えるよ。お大事にしてね。」
「ありがとうー!!」
・・ということで、その日の日中、私はムクタとメジのおかげで家で寝ていることができた。
ちなみに、その次の週の月曜日はメジが体調を崩して、今度は私が一人でフィールドワークに行ってメジがその日のレポートをでっち上げた。
私たちがフィールドワーク出席詐欺をしたのは、後にも先にもこれが最後。
当時は秘密だったけど、もう時効でしょう(笑)。
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