Caste③ 〜カーストと結婚の繋がり〜

さて、勝手に展開してきたカースト3回シリーズ。

最後はカースト制度と結婚の繋がりについてです。

 

これが実を言うととても密接。

結婚によってカースト制度が続いている、と言っても過言ではないと思います。

 

以前、結婚は基本的に同じカースト同士で・・という話をしましたが、そうして同じカースト同士で固まることによって、自分たちのアイデンティティを保ってきたと言えます。

インドでは、両親同士が主導権を握ったお見合い結婚が多いです。その結果、カーストが違う男女の結婚は、よっぽど寛容でリベラルな家族同士でなければ、難しいのが現状です。

 

(インドの結婚式。大学院のかかりつけのお医者さんアンベカ・マダムの息子さんの式です。)

 

では、ここでちょっと例を見てみましょう。

 

①隣の州同士でも問題・・友達Rちゃんの場合

 

私の大学院の友人Rちゃんは北部カシミール州のバラモン(神官階級)出身。

大学で出会ったRちゃんの彼氏は、隣のパンジャーブのバラモン出身(だったはず)。カースト的には問題がないのですが、カシミールの人はとくにカシミールの中で、同じカーストの人と結婚する、というのがよしとされています。

なので、Rちゃんの両親はカシミールの同じカーストの花婿を見つけようとしている。一方、Rちゃんは彼氏のことをまだ両親に伝えられていません。(反対されるのが明白だから)さて、どうなるでしょうか・・?(現在進行形なのです)

5年後の後日談(2019年)。

Rちゃんは、無事に彼氏と結婚しました。

たぶん、時間をかけて親の理解を得たのでしょう。

 

 

②カーストの差が違い過ぎて初めから断念・・友達Dちゃんの場合

 

私の友達Dはシンディー族(1947年の分離独立前はパキスタン側にいたヒンドゥー教徒の人々。パキスタンがイスラム教徒の国になったため、多くのシンディーの人々がインドや海外に移住しました)出身。

Dが大学時代に仲の良かった男の子は、インド東部ビハール州のバラモン(神官階級)出身。お互いに好きだったのですが、すでにカーストの差が大きすぎ、2人ともその恋が成就しないことは分かりきっていて、一緒になることは初めから諦めていました。

(シンディー族のカーストはD本人もよく分かってないらしいけれど、少なくとも上位カーストのバラモン、クシャトリヤではないはず。シンディー族の人には商売人が多いから、3番目のカーストのヴァイシャ・・?そうすると、カーストの差はかなり大きいらしい。)

Dが大学院で彼氏を作るまでは、彼女はよくそのバラモンの男の子と夜に電話をしていて、

彼は「生まれ変わったら一緒になろうね・・。」とまで言ってくれるほど、相思相愛だった2人。

「何時代の話!?」と突っ込みたくもなりますが、2013年にあった実話です。

 

 

③宗教が違ってさらに難航・・友達Sちゃんの場合

 

Sちゃんはヒンドゥー教徒。その彼氏はキリスト教徒。

付き合っている分にはお互いの宗教はあんまり関係なかったけれど、結婚を考えたとたんに問題噴出。

 

Sちゃんの家族は、花婿にはもちろんヒンドゥー教の同じコミュニティ(カースト)からの男の子を望んでいて、既にその条件でのお見合いを考えてる。

彼氏側は、そのお父さんがパートタイムの牧師さんで、家族は敬虔なキリスト教徒。

彼氏自身、Sちゃんにはキリスト教徒になってほしいと思っている。でも、Sちゃんは25歳まで続けてきたヒンドゥー教の信仰を今さら変えられるはずがない。仮に子供ができたとしても、子供はどっちの宗教になるの・・?

話は平行線のまま、二人は大学院を卒業して別々の場所に。スマホで連絡は取り続けてるけど、ケンカも少なくないようです。さて、どうなる・・?

 

5年後の後日談(2019年)。

結局、2人は別れてしまいました。

大学院を出て3年間くらいは、しょっちゅう喧嘩して「もう別れた。」とか言いながらも、

なんだかんだでくっついたり離れたりの遠距離恋愛を繰り返していました・・が。

その後くらいからは、今度こそ「本当に別れた。」と言っています。

 

端から見ていた私の独断と偏見では、

もともと彼氏の性格が裏表がある感じで、優しい時とキツい時のギャップが激しすぎて、

宗教間の問題が仮になかったとしても、『どうかなぁ…。』という印象でしたが。

ともあれ、インド人にとって異教徒同士の恋愛、というハードルは本当に厳しそうだ、と思いました。

 

 

・・と、困難な事例を多めに紹介しましたが、中には違いがあってもうまくいっている人たちもいます。

 

困難なケースとしては、

―宗教が違う(特に、ヒンドゥー教徒&イスラム教徒)

―カーストが違う

ー出身の州(コミュニティ)が違う

―女性が年上

―女性のほうが男性より背が高い(笑)

 

うまくいくケースとしては、

―宗教が違っても、双方の家族があまり宗教的じゃない

―カーストが違うが、あまり差が大きくない

―年が違っても、そんなに差がない

―両親が寛容

 

といった感じです。

ともかくも、今回読者の方に知って頂きたかったのは、インドでは(東北部などや一部の例外を除いて)愛があるだけでは結
婚できない、と言うショッキングな事実です。

私もこれを知ったときはカルチャーショックでした。

信じられない・まさかまだこんな封建主義的な考え方が生きているなんて・・。

それでも、インドでは日本とまた全然違った価値観が働いていて、それがあちらでは当たり前だったのです。

世界って、広いですね。。

 

次回はこの話題に絡めて、インドの典型的な家族観・結婚観についてご紹介したいと思います。これがまた日本と違って面白いんです。

 

一部改定:2019年8月4日

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