第1学期(2012年6~10月)23.救援物資、来たる!

 7月6日(金)夕方。学校から家に帰った私を待っていたのは、1箱の段ボール。

東京の実家からはるばる海を越えてやってきた、家族からの救援物資だった。ありがと~(^ヮ^)♪

 

 今回の便はもともと、インドで落ち着く先が決まったら送ってもらうように、家族に頼んでいたもの。中身は服やインスタントみそ汁、好きなお菓子(カントリーマアム)。そして、インドに来てから『あ!これも持ってくるんだった~。』と思った細かな物(ハンドタオルとか)も、発送してもらう前にメールでお願いしてあった。さらに、大家さん夫婦が欲しがった日本のお守り。(父が近くの神社で買って入れてくれた。)

 

 私の場合、救援物資はだいたい3~4か月に1回お願いして送ってもらっていた。(それと、こっちの秋休みに家族がインドに来たときにも、手荷物で物資を運んでもらった。ほんとに、感謝…。)送り方は、郵便局のEMS(国際スピード郵便)という方法。送料は段ボール1箱でだいたい8000円~1万円。今回は7月3日(火)に東京から発送してもらって、3日間でムンバイに到着。便利ですね。

 よく送ってもらったのは、お菓子・インスタントみそ汁・食べるいりこ(カルシウムの摂取源)・うどん・パスタソース・ご飯のお供の佃煮など。そして、本や漫画も必需品。インドから欲しい本をアマゾンのwebサイトで購入手続きして、東京の実家に届くようにしていた。日本語の本は、インドでたまに現実逃避したいときにとっても重宝した。

 

 さて。救援物資が届いたのはいいのだけれど、この時私にはもう一つ到着を待っている物があった。

 アコースティックギターだ。私はその2年前からギターを習い始めていた。やっと少し弾けるようになったところだったので、『インドに行ってる2年間に、まったく弾かなかったら忘れてしまう…!』と思って、空輸することにしたのだ。

まず、渡航前に実家の近くのハード・オフで硬いギターケースを4000円で購入。そして、輸送中にギターの弦が切れてしまわないよう、かなり緩めておいた。次に、ギター本体をバスタオルでくるんでケースに収納。で、最後にケースの表面に養生テープを何重にもして巻いた。

 私はその状態で父に発送をお願いしたのだが、父はインドの郵便屋の仕事の質を疑って、さらにギターケースを段ボールでご丁寧に梱包した上で送ってくれた…感謝。。ちなみに、送料は約1万円。随分高いギターになってしまった。

 

 そのギターが、待てど暮らせど、来ない…。救援物資の段ボールと同じタイミングで発送してもらったのに。

 そして、運命の7月16日(月)。日本では海の日で祝日だったが、インドでは関係なし。その日は初めてフィールドワーク(NGOのインターン)に行った日だった。

 家に帰ってくると、私宛てに1通のボロいお手紙が。よれよれの封筒に、ところどころインクがかすれて英文がタイプされた手紙。はじめは要領もつかめなくて、大したことないかと思って見ていたが、よくよく注意して読むとこんな内容だった。

 

「ムンバイ国際空港××課であなたの荷物を預かっています。7月△日(既に過ぎていた)から20日(金)の朝×時から15時までの間に取りに来なさい。」

 

 これって、ずっと待っていた私のギターのことでは!?それにしても、なんで届けてくれずに来いと言われたのかが全くもって意味不明だ。しかも、預かり期間が終わりかけた頃に通知が届いたのも気に食わない…。

 

 翌日の火曜日も私はフィールドワークがあって、空港まで行きようがなかった。いろいろ考えてみて、18日(水)の午後の授業を抜け出して行くことにした。と言っても、水曜午後の「基礎コース」は出欠チェックが厳しい。まず先生に事情を説明しなくては…。

 という事で、水曜の午前中に自分の専攻の先生に話しに行った。すると、

「それはケイティ先生に言いなさい。」

と言われ、ソーシャルワーク棟の最上階(3階)のケイティ・マムのお部屋へ行くことに。緊張。

 

 ソーシャルワーク課程の重鎮のケイティ・マムは、もう結構なお歳に見えるおばあちゃん先生だ。多分60代。浅黒い肌にしわをいっぱい刻んで、いつもちょっと厳しい表情をしている。ショートのちぢれっ毛も半分以上白髪だ。重そうな体をゆっくりゆっくり運びながら歩く人だった。

 

ノックしてから、

「失礼します、ケイティ・マム…。」

「お入りー。」

ケイティ・マムは4畳くらいの研究室に私を温かく迎え入れてくれた。で、事情を説明。

 

 一通り私の話を聞いてから、マダムは言った。

「もちろんあなたは空港に行っていいわ。ただし、私はとても心配。空港であなたが職員たちにいろいろ言われて、お金を取られたりしないか。だから、学校から誰かひとり職員をあなたと一緒に行かせるわ。空港に着いたら、このギターは学校のフェスティバルで使うためのものだと言いなさい。そして、あなたは学生でお金がないと言うのよ。気を付けていってらっしゃい。」

 

 なんという優しい心遣い!私は感動した。

そして実際、ケイティ・マムは事務の人に話をして、男性の職員さんを私のお供に付けて下すった。

 さぁ、空港にギターを取り返しに行きますよ!

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