1年目フィールドワーク(2012年7月〜2013年3月)④待たされて待たされて、バスに揺られる

 7月17日(火)。フィールドワーク2日目。

本来なら、この日が初日みたいな内容だった。

昨日インターン先のNGOに行ったものの、NGOにはインターンの学生が行くことが大学院から知らされていなかった。それを聞いて、大学院のフィールドワーク担当のスニル先生が、

「じゃあ、私も明日(17日)は行く。」

ということになって、朝はサム・メジ・スニル先生と学校近くのバス停で待ち合わせした。

 

 この日は、スニル先生の提案でバス移動。

先生は激混みするムンバイの電車が嫌いだったのかもしれない。

「マイトリ・パーク(バス停の名前)からなら、たくさんバスが出ているから便利だろう。」

と前日言われて、朝9時にバス停に集合することになっていた。

 

 私はバス停の場所を知らなかったので、メジが簡単な地図を描いてくれていた。9時に間に合うように、私は下宿先から学校に向かった。メジの地図によれば、学校からバス停は歩いてものの数分だ。

『この辺かな〜。』と当たりを付けていた所に歩いて行った。

誰もいない。バスもそんなに停まりそうにない。

「ええ〜。」

困ってメジとサムに電話。

結局、待ち合わせのバス停は、そこからさらに5分ほど歩いた大通りの先だった。

『メジの描く地図は信用できない・・。』 

と学んだ。

 

 さて、やっとメジたちとスニル先生に合流。

「Good morning, sir.」(おはようございます、先生。)

「Good morning.」(おはよう。)

でも結局、私たちはバスを使うのを諦めてタクシーに相乗りした。バスが待っても待っても来なかったのだ。インドのタクシーは(前に書いたように、エアコン付きのタクシーさえ選ばなければ)日本と比べてそこまで高くない。しかも4人で割り勘だったのでだいぶ経済的だ。ともかくも、小1時間でダーダーに到着。

 

 スニル先生とクリパ(昨日私たちに財団の説明をしてくれた女性)は2人で30分ほど、私たちのフィールドワークについて話し合っていた。その間、私たちは放置。こういう事はインドではままある。

 

 その後、スニル先生は学校に戻って行った。私たちは、クリパからもう少し団体の話を聞いて、それからまた事務所の中でお昼を食べた。

「私は別の場所にミーティングへ行ってくるから、帰るまで待ってて。その間、この辺の資料や教科書を見ていて。」

そう言って、クリパは13時過ぎにどこかへ行ってしまった。どうやら、私たちインターンの学生をどこでどうやって受け入れるかを相談に行ったらしい。

 

 4時間経過。

正直、手持ち無沙汰だった。

インドの小学校の教科書や、公立学校プロジェクトの教育プランは、確かに『なるほど〜、こんな風になっているんだ。』くらいの発見はあった。メジとサムと色々話す時間になったと言えばなった。

 ただ、そもそもインターンが始まることが学校から知らされていなかった話からしても、『なんか、学校とNGOはうまく連携できてないんだなぁ・・。』という印象だった。

 

 17時過ぎ。やっとクリパが事務所に戻って来た。

「来週は、あなた達には小学校へ行って調査の手伝いをしてもらうわ。」

で、行く場所や内容をちょこっと説明。(私とメジにとっては、クリパから振られたインターンの業務で一番フィールドワークっぽいのがこれだった。)

解放されたのは、18時前だった。

 

 帰りは、「せっかくだからバスに乗ってってみよう。」と3人でバス戦法を試してみた。

バスを待つこと30分。やっと、私たちの目的地まで行く鉄の塊みたいなバスが来た。バスに乗り込むと、まずは薄茶色の制服を着た乗務員のおじさんに運賃を先払いする。(電車ほどじゃないけど、かなり安い。距離ごとに変わるけど、一回数十円で乗れる。)

 

 バスはどこかしら窓が開けっぱになっていて、ムンバイの路上のかぐわしい排気ガスがもろに入ってくる。バスの右側前方の何列かは女性専用席なので、それはけっこうありがたい。

 運ちゃんの運転はかなり荒い。各バス停で、待っていたお客たちはバスが近づいてくるのを見ると、小走りで駆け寄ってくる。最後のお客さんがステップを上がるか上がらないかで、もうバスはぶおぉーと発車する。ちょっと危険。(慣れてくると、これがスリルになる。笑)

 

バスの写真の引用先:

https://www.hindustantimes.com/mumbai-news/in-reverse-gear-fleet-of-mumbai-public-buses-reduces-but-number-of-pvt-vehicles-increases/story-vSpQRb8o2eQE7SwiY4tjmO.html

 

 

 ダーダーから30分くらいで学校近くのディオナー・バス停に到着。

「じゃあねー。」

サムたちと別れて、オートリキシャで下宿先まで。

『やっぱりバス移動は、レベルが高いなぁ・・。』と思った。

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