タタ社会科学研究所(TISS)の2012年度の留学生は私を含めて10人。ちなみに、その年の大学院修士1年生はインド人学生・留学生全体で約700人いた。(大学院については、次回紹介します。)
留学生仲間のみんなは専攻こそ違えど、インドでの2年間を一緒に戦い抜いた戦友だ。ごはんに一緒に行ったり、論文の渦中で励まし合ったり、私にとってかけがえのない存在だった。
まず、アメリカの財団の奨学金でTISSのカウンセリング修士課程に入った5人から。
♪タラ(30歳、ネパール女子)
「星」という意味の名前を持つ彼女が、私のインドで初めてのルームメイトだった。(10日間だけだけど。でも、最初の右も左も分からなかった時に、タラがいてくれて本当に良かった。)
他の子に比べて名前が抜群に覚えやすく、ほとんど同い年だったので親しみを覚えた。背は高くないけれど、容姿がギリシア彫刻のように美しく、落ち着きがあって優しい。旦那あり。
インドに来る前もネパールの首都カトマンズでカウンセラーの仕事をしていて、TISS卒業後もカウンセラーとしてネパール地震のケアなどで大活躍。
♪ニッディヤーナン(30代半ば、ネパール男子)
彼の名前は発音が難しくて、私はしばらく覚えられなかった。地黒に丸い鼻、ニヒルな笑顔に七三分けの髪。奥さんあり。恥ずかしがり屋さんだけど、踊らせるとピカいち!
♪ハディ(20代半ば、アフガニスタン男子)
アフガン3人組の中で一番社交的。細身で背が高く、顔は東洋系。日本にいても溶け込めそうな顔立ち。笑顔の素敵な優しい紳士。留学前はアフガニスタンで教師をしていた。
♪ジャマール(20代半ば、アフガニスタン男子)
彼が生まれたとき、とても美しい赤ちゃんだったのでジャマール(美しさ)と名付けられたらしい。背が高くて丸顔。彼も日本人の中に紛れても目立たない顔をしている。コンピューターに詳しく、留学中にウイルスに感染した私のノートパソコンを直してくれた。ありがとう!
♪ナゼル(30歳過ぎ、アフガニスタン男子)
アフガン3人組の他の二人とは部族が違って、彼は地黒でアラブ系の彫りの深い顔をしている。まつ毛がびっしり生えていて、たいへんイケメン。国に若い奥さんと赤ん坊を残してきた。(留学中に2人目が生まれた。)敬虔なイスラム教徒で、お祈りの時間は何があっても部屋から出てこない。(ハディとジャマールはその点ゆるかった。)
そして、かれら以外の5人は、国も専攻もバラバラだった。
♪ジョーティ(25歳、インドネシア国籍のインド人女子)
私の留学中でいちばん長い間一緒にいたルームメイトで、唯一無二の親友。身長165cm位。健康的な小麦色の肌にパッチリおめめ、きりりとした太い眉毛、素晴らしい天然パーマ。
面倒見のいいしっかり者で、彼女なしに私のインド留学はあり得なかった。
ジョーティは大学からインドに来ていて、医療エンジニアを4年間学んだ後、ムンバイでITの仕事を2年間していた。大学院での専攻は保健行政。彼女の話は後ほどたっぷりどうぞ♪
♪ミラン(25歳、バングラデシュ男子)
彼はバングラデシュの少数民族チャクマの出身。小柄で、顔立ちは全く日本人と変わらない。でも、普段は開襟シャツを着て下にルンギ(長い巻きスカートみたいなの)を履いているので、やっぱり日本人ではない(笑)。控えめで優しい子。私と同じソーシャルワーク修士課程で、別の専攻「コミュニティ開発」に所属。
♪スィリヤ(20代前半、スイス女子)
私の中の白雪姫のイメージそのもののような女の子。大学院に入学する前からインド人の彼氏がいて、在学中は彼の家から毎日40分間オートリキシャに乗って登校していた。TISSではメディア文化を専攻。卒業前に彼氏と南インドで結婚式を挙げた。
♪エレン(21歳、フランス女子)
金髪美人。手足がすらりと長くて、露出が多いのでいつも蚊に悩まされていた。チョコレート大好きで、朝食はいつもパンにチョコクリーム。
お父さんがイスラム教徒で、1学期の途中にそのお父さんとケーララ(南インド)に現地集合で旅行をしていた。彼女だけは1年間の留学生。(あとは私も含めてみんな2年間。)フランスの大学とTISSとの交換制度で開発学の修士課程に入っていた。
この9人と私を入れて10人。そして、私たち以外にも数か月単位の短期留学生が年間を通して大学院を出入りしていた。私が入学した当時、短期で来ていたのが米ボストンからのかわいい医学生カリッサで、私とジョーティとエレンはその後、彼女の下宿先にお世話になることになる。
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