「誰のために」 石光真清(いしみつまきよ)

しばらく時間かかったけれど、ようやく読了。
「城下の人」「曠野の花」「望郷の歌」「誰のために」4冊組の最終巻。
1~3冊目まではじいちゃん(96歳)の蔵書。4冊目がなかったので、アマゾンで買いました。
普通の人も面白く読めると思うけど、歴史の先生にはとってもおすすめ。著者は歴史上の事件や出来事を市井の人の視点から生き生きと描き出しているから。1冊目の神風連の乱・西南戦争の話から始まって、日清・日露戦争、そしてロシア革命と日本のシベリア出兵までが同時代の目線で書かれています。

以前にも他の巻の内容をちらっと載せたと思いますが、
著者は明治元年に熊本の士族の家に生まれ、第二次世界大戦の終わる3年前に亡くなりました。名前から性別が分かりにくいですが、男性。日露戦争前後にスパイとしてロシアに行っていたので、そこら辺に関しての情報が多くの部分を占めていて、とても興味深い。

内容は時系列で並べられているので、今回の話は大正~昭和初期にかけてのもの。ロシア革命で中産階級や農民はどう反応したのか?というのが分かって面白かった。

ただ、最後は唐突に途中で終わってしまった印象。
江戸時代生まれのお母さんが95歳で亡くなった後、晩年の約20年間については書かれていなかった。
著者紹介のところにその時期は「夫人の死や負債等、失意の日々を送り」とある上に、この手記は晩年石光さん本人が焼き捨てようとしたものを、息子さん(石光真人さん)がなんとか残りをかき集めて完成させたものだ。

晩年の部分は、焼けてしまったのだろうか。
それでも、こんな興味深い手記が残されたこと、それを読めたことがとてもありがたい。長年かけてこの手記の編集をやり遂げて下すった石光真人さんに感謝。これを紹介してくれたじいちゃんにも感謝。
この4冊は私の本棚で永久保存です。

最後に。
現代にも通じることだと思うので、引用します。
(以下引用、「誰のために」石光真清 中公文庫P.306より)

『国籍が違っても階級が違っても、人間の生活感情や思想は互いに共通する部分の方が、相違する部分より遙かに多いのに、相違点を誇大に強調して対立抗争している。僅かな意見の相違や派閥や行きがかりのために、ただでさえ不幸になりがちな人生を救い難い不幸に追い込んでしまう。情けないことである。何か大きいものが間違っていて、私たち人間を奴隷のようにかりたてている。一国の歴史、一民族の歴史は、英雄と賢者と聖人によって作られたかのように教えられた。教えられ、そう信じ己を律して暮らしてきたが……だが待て、それは間違っていなかったか。野心と打算と怯懦と誤解と無知と惰性によって作られたことはなかったか。』

コメント

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    アメブロ検索でヒットして面白そうだったので記事を読ませてもらいました。ブログの見せ方って、ぞれぞれ違うんですね~!勉強になります。日記程度に時々しかかけてないけど、良かったら私のブログも見てくれると嬉しいです。

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    今日は勝手にこちらのブログに舞い込んでしまいました。その世界を見たくなったらこのブログを見て気持ちを落ち着かせているんです。今でも風で飛んでいきそうな私のブログですが、ご覧いただけると幸いです。

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    ども♥日本のブログ探していたらここまでたどり着きました読みやすい記事ですね(´・ω・`) 私も書いているので参考になりました☆これからも更新頑張って下さい?おじゃましました~

  4. ふみ より:

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    初コメントですね!新着記事で色々見ていたら見つけました♡ブログっていいですね~あなたの記事を含め人それぞれ味がありますね!ブログ始めたばかりの物ですが今後とも仲良くしてください♫

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    アメブロは交流を楽しむ場だと思うので、コメント失礼します。ブログの見せ方ってやっぱり人ぞれぞれ違うんですね~!お邪魔さまでした✴主婦の気まぐれなブログもご覧いただけると幸いです。

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    どうも☆ネット巡回していたらこのブログにHITしましたとってもユニークな記事だと思います?私もブログ書いているので大変参考になりました☆まだまだアメブロ始めたばかりの物ですが今後ともよろしくお願いします。でわでわ。

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