Social Workの守備範囲って?(インド)

今日は、うちの大学院のソーシャルワークの9つの選考をご紹介します。

前にも少し書いたけど、ソーシャルワークって、その国の中で何かしら困難を抱えている人たちの手助けをしようとする活動のこと。(だと私は理解してます)

だから、以下に出てくるのはインド国内でソーシャルワーカーたちが働いてる分野ということになる・・はず

M. A. Social Work with Children & Families  (子どもと家族)

※私の専攻はこちら。扱うトピックはさまざま。私は公立小学校の落ちこぼれ(けっこうな率でドロップアウトしてる)の問題を論文にしようと思ってます。)

クラスメイトが論文のお題にしていたのは、ある地域でのカーストの状況・下層カーストの家庭の子供の就く仕事・インドの女子高生の職業観・父親の役割など・・・まぁ、子供と家族が少しでも関係していて、それについて調査することの必要性を説明できたなら何でもあり。

この専攻での授業はたとえば

「インドの子供の状況について」「インドの家族について」「インドの子供たち/家族が直面している問題」「子供・家族とのソーシャルワーク技術」などなど。

※以下の専攻については、断片的な情報のみなので、ぜひTISSのホームページでProspectusという学校の紹介冊子をご覧いただければ、もっと詳しいカリキュラムが分かるはずです。

M. A. Social Work in Criminology & Justice  (犯罪学と正義)

この専攻は法律(おそらく特に刑法)とかが絡んでくるイメージ。刑務所にも見学に行ってた。友達の一人は、物乞いについて論文を書いてた。(物乞いは犯罪なので、警察に捕まると矯正施設に送られる)

M. A. Social Work in Community Organisation & Development Practice  

(地域共同体の組織の方法と発展)

コミュニティ(村や地域)を巻き込んで活動をしていきたい人向け。この専攻は2年間の間で2回以上、数週間のフィールドワークに行ってた。

M. A. Social Work in Dalit & Tribal Studies and Action 

(不可触民と部族) 

これはインドならでは。歴史的に差別・搾取されてきた人たちの問題を取り扱う専攻。

M. A. Social Work in Disability Studies & Action  (障害者) 

こちらは日本でもおなじみ。インドでの障害者のケアは日本と比べると格段に行き届いてない。(でも、障害を持ってる同級生への親切さにおいては、うちの大学のみんなは東京の人々より上を行ってると思う。)

M. A. Social Work in Livelihoods and Entrepreneurship (生計の手段と起業)

わりと新しい専攻。結局、教育を受けるにも健康でいるにもお金が必要。そのための仕事をどうするか。インドでは多くのNGOで職業訓練をやっているけれど、それはここから始まっている。

M. A. Social Work in Mental Health  (メンタルヘルス)


正直よくわかってません。Prospertus参照・・

確かここ専攻の子がアルコール依存症について研究してたかな・・

M. A. Social Work in Public Health  (公共の健康)

インドでは、日本で充実しているような保健制度が整ってません。母子保健センターみたいなものはあるけれど、それも質・量ともに不足している。保険証もなし。だから病気になるとお金のない人は大変。・・みたいな話じゃないかとは思うのですが。Prospectus様に伺ってください。。

M. A. Social Work in Women-Centred Practice (女性) 

インドの女性の地位は日本以上に低い。(これは宗教的な理由も大いに絡んでいますが。)基本的にこの専攻と私のいた「子供と家族」はよくひとまとめにされていて、「女性」専攻だけど高齢者について論文を書いてた子もいた。

(これ以外で、ムンバイから数百キロ離れたTISSトゥルジャプール キャンパスでMA in Social work in Rural Development-農村開発-があるらしいです。ソーシャルワークが付いてたかは定かじゃないけど、とにかく農村関係。私と入れ違いの期間で、そっちに行った日本人の女の子が!)

私は日本のソーシャルワークをほとんど知らずに来ているけれど、日本とはだいぶ違うんだろうなと。

ここで勉強した学生たちはNGOで働いたり(もしくはNGO作ったり)、政府の職や教職(ソーシャルワークの)に就いたりするのがおそらく主流。(現時点での私の理解だと)

日本だとソーシャルワーカーは高齢者・障害者の施設や病院にいるイメージ。ただ、次に帰国した時にもう少し社会福祉士とかの勉強をするといいんだろうな。

そういえば、こっちでは高齢者についてのソーシャルワークって聞かない。

でもそれは、いまだにこの国の平均寿命が65歳前後だから・・。

※ごく大雑把に言っても、インドには主にカースト制度で分けられた上流階級・中間層(この人たちはリッチな部類)・それ以下の層がいて、はじめの2つに属する人たちの平均寿命はわりと日本人に近いと思うけど、そうじゃない人たちの寿命は・・・40-50才とか。非常に差があります。

(2015年12月加筆修正あり)

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