(※名前は変えてあります。)
ピンキーが結婚した。
彼女はインドに留学した時のお友達。私のルームメイトのジョーのクラスメイトで、彼氏のジョンと一緒によく私たちのアパートに遊びに来ていた。
そのピンキーとジョンが最近ついに、晴れて夫婦になれたのだ。
とってもうれしい。
なぜって、これはただの結婚じゃないから。
普通(?)の結婚だって大変おめでたいけれど、2人の家族の間には「宗教」という大きな壁が立ちはだかっていたのだ。
そもそも、2人はインドの中でも特殊な北東部にある、別々の州で生まれた。
男の子ジョンは生まれつきのキリスト教徒。
女の子ピンキーはヒンドゥー教徒の家族に生まれた。
詳しい経緯は知らないが、ピンキーは故郷を離れて大学、もしくはムンバイの大学院に通っていた時に、キリスト教の教義に惹かれてヒンドゥー教から改宗した。
だから、2013年ごろ私がジョーに紹介されて2人に会ったとき、2人は仲睦まじいキリスト教徒のカップルだった。
2人ともとっても歌が上手くて、学内の歌コンテストでピンキーが1位、ジョンが2位を奪取したくらいの実力者同士。
たまにジョンは私たちのアパートに来た時、私のギターを使って歌ってくれた。
で、これがインドのキリスト教徒の面白いところなんだけど、(と言っても、あまり日本のキリスト教の方たちと交流があったわけでもないので、比較しているわけではありませんが)
ジョンはギター1本でキリスト教のお楽しみソング(?)を教えてくれた。
例えばこんな曲。
~♪(前奏)
ジョン:ローマン
私たち:オー!
ジョン:ナインティーン
私たち:オー!
ジョン:シックスティーン
私たち:セ~イ!
(つづく♪)
ノリが良いから楽しいし、覚えやすい。
さっき調べてみたら、“Roman 19 16”というタイトルでYouTubeにもビデオがたくさん上がっていた。
参考までに、ジョンが私たちに伴奏してくれたのはこのリンクに近い雰囲気でした♪
少し話はずれるけど、こんな楽しいお歌で子供の頃からキリスト教の教えに親しんでいたら、熱心なキリスト教徒になっていくだろうと思った。きっと宗教活動には、まじめな儀式や説教だけでなくて「お楽しみ」の部分も必要なんだろう。
さて。
そんなピンキーとジョンだが、2013年当時は2人とも家族から遠く離れたムンバイでお付き合いをしていたわけだ。キリスト教徒になったピンキーは、自家の家族との関係があまり良くない・・・といったことも聞いていた。
だから、2人の結婚までの道は長く険しいだろう・・・というのは、外国人の私でも予想がついた。
キリスト教徒の家族とヒンドゥー教徒の家族。
インドの中で一番難しいと言われるイスラム教徒とヒンドゥー教徒の結婚よりは、まだハードルが低いにしても、異教徒同士の結婚には何かと困難がついて回る。
実際、私のごく近い友人のヒンドゥー教徒女子×キリスト教徒男子のカップルも、大学院を卒業して数年後に別れてしまった。
宗教だけが彼らの破局の原因とは言えないけれど、日本人の私たちにはなかなか理解しがたいほど「結婚相手と宗教が違う」というのはインドでは大問題だったりする。
だからこそ、今回のピンキーたちの結婚の知らせはとても意義深いものだった。ピンキーと彼女の家族が分かり合えて、そしてカップルのお互いの家族がそれぞれを受け入れられたということ…。
おめでとう!ピンキー、ジョン。
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