ムンバイで詩人になるのは難しい

もっと詩を書くつもりだった。

もっとたくさんことばが降ってくると思っていた。


けれど、


大通りの喧騒

犬の哭き声

ウォッチマン(※)のおじさんの咳払い

隣の部屋から絶え間なく聞こえてくる、ヒンディー語スピードラーニング (早すぎて聞き取れない)(彼女たちはただおしゃべりしているだけですが。)


いつまでも続く夏

季節の移ろいに乏しい街


目まぐるしく行きかう人に 時間に ものごとに

ただ、うずもれて

言葉を失くしていって


どこまでも溢れるゴミに

路上に生きる人々のたくましさに

ただ、どうしようもない現実を突きつけられて

なす術もなく途方に暮れて



今は、これが精一杯。


蘇れ、私の感性。



※注。 ビルのガードマンのことです。ムンバイではたいていどこのアパートでもマンションでもオフィスビルでも雇っているのです。


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